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【障害年金の裁定請求】高次脳機能障害の30代Sさん

こんにちは。FPと社会保険労務士の二刀流で活動しているfp-keikoです。

年金は奥が深く、日々年金と向き合っていても学びが多いです。

ご紹介により、障害年金の裁定請求をさせていただきました。お客様は30代Sさん、高次脳機能障害の方です。彼女がお勤めの事業主さんとご縁があり、ご紹介いただきました。

Sさんは仕事中に事故に遭い障害が残りました。仕事中のケガは業務災害となり、労災保険で補償を受けることができます。ただし、今回は交通事故のため、第三者行為災害となります。初めてSさんにお会いした時は少しずつですが、職場復帰をされているところでした。

職場復帰できるまでに回復していましたが、脳に障害が残ってしまい、高次脳機能障害と診断されました。高次脳機能障害とは「交通事故などによる脳外傷、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳炎・低酸素脳症などの病気が原因で、脳が部分的に損傷を受けたためにおこる障害です」

主な症状には、遂行機能障害、注意障害、記憶障害、行動と感情の障害、言葉の理解の障害、失語症、失認症、半側空間無視、病識欠落といった症状があり、日常生活や就労においてサポートが必要となります。どんな症状があるのか、症状がどのように表れるかは、人それぞれ異なります。

高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の症状として、次のような障害があります。

認知障害
【記憶障害】 すぐに忘れる、新しいことを覚えられなくなった
【注意障害】 うっかりミスなど不注意が多くなった
【遂行機能障害】 毎日の行動や調理など、自分で計画を立てて物事を進められなくなった
社会的行動障害
【固執性】  自己主張が強くなった、ささいなことにこだわるようになった
【感情コントロールの低下】 多少のことでイライラしたり、怒りっぽくなった
【欲求コントロールの低下】 欲しいと思うとガマンできない、金遣いが荒くなった
【依存性・退行】 すぐに親に頼るようになった、子どもっぽくなった

Sさんは認知障害が残ってしまいました。ご本人様といろんな話しを聞き取りましたが、事故前は得意としていた記憶力や判断能力が著しく低下してしまったとのことです。具体的な例として、電話の応対ができないとのこと。電話にでることができません。仕事に復帰できても以前のように働くことが難しく、同僚や上司のサポートがないと仕事ができなくなりました。

思うようにできない状況に何度も涙を流していることを聞き、何か力になりたいと障害年金の請求をすることになりました。就労しているから無理ではないかと半ば諦めていたようですが、一緒に頑張ろうと前向きに考えてくれるようになりました。

厚生年金保険に加入中が初診日となる事故です。障害厚生年金に該当する程度として、等級は重い方から1級から3級まであります。Sさんの場合、就労していることもあり、障害の程度としては3級ぐらいかと思いましたが、必ずしも等級に該当するかわかりませんし、受給できるかもわかりません。

障害厚生年金に該当する状態

障害厚生年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、次のように障害の程度が定められています(日本年金機構HPより)。

障害の程度1級
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。

障害の程度2級
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。

障害の程度3級
労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が3級に相当します。

障害厚生年金3級!

障害年金の請求にあたり、医師の診断書はもちろんのこと、病歴・就労状況等申立書をSさんから詳しく聞き取り作成、さらに就労するにあたり、実際どのようなサポートが必要なのか、サポートをしている勤め先の社長や先輩にご協力いただき、意見書を請求書に添付しました。

請求から約3ヵ月後、Sさんより障害厚生年金3級の年金証書が届いたとの連絡を受けました。就労できていても、サポートが必要になり、辛い状況であることには変わりはありません。将来の不安も常にあることを考えると、少しでもSさんのお役に立て良かったと安堵しました。

人生100年時代となり、30代のSさんにとってこれからの人生は障害と付き合って過ごすことになります。障害年金がSさんの助けとなり、少しでも不安が解消できればと願うばかりです。

FPと社会保険労務士だからできること。お客様の人生を一緒に歩む責任ある仕事であると改めて実感しました。これからもお客様が笑顔になって、「ありがとう」と感謝されるような仕事をしていきたいです。

なお、こちらの記載に関してはSさんにご了解いただき載せさせていただいています。

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